夏の停電なんて怖くない。バカンス法で乗り切ろう

アマゾンの友達たち


 昨夏25年ぶりに以前2年間住んでいたアマゾン流域の小村を訪れた。ウユニ塩湖で夜に見たのと同様の満天の星空を期待していた。25年前は肉眼でハレー彗星が確認できたのである。
 ところが、夜空はまったく美しくなかった。アマゾン流域の山焼き(昨年は温度が高く自然発火した)で、大気がけむっているせいもあるだろう。だが大きな原因は、電気が来たからである。
 文明と科学には必ず得るものと失うものがある。

 ポルトガルリスボン。私は大好きな都市のひとつである。発展を諦めたような哀愁の漂う街並み。夜空に浮かぶサンジョルジュ城。サウダージをうたうファドの悲しい調べ、濃くのあるワイン、いわし料理、落ち着いた人々。
 けれども日本と同様に政治的混乱が続き、財政赤字を削減できそうもなく金融危機の中にある。だが、人々は案外平気に暮らしているに違いない。

 この国の首都リスボンをマグネチュード8.5の大地震と津波が襲ったのは、1755年。政治的混乱もあり、ヨーロッパの覇権国から凋落しつつあるときであった。それが最後の打撃を与えた。死者は六〇〇〇〇人前後といわれている。

 日本も経済的な凋落の中で起こった津波地震、その上原子力人災である。明治維新第二次世界大戦、そして今、東北地方太平洋沖地震福島原発 は大きな歴史の節目である。
 明治維新以来、無理に無理を重ねてきた日本人は、もう成長パラノイアから脱却するべきだ。GDP2位とか3位とか、そんなことはどうでもいい。経済成長と人間の限度を超えた安楽を求めた結果がこの原発事故の遠因となっているのである。
 私の途上国に住んで経験からいっても、GDPと個人の幸福感はまったく相関関係がない。そこで日本は東洋のポルトガルを目指すこととし、我慢して働かないようにしよう。
 この夏は次のことを行えば、停電などならないはずだ。東電に取材する機会があれば聞いてみる。
バカンス法を制定するのである。

1.大口需要者は夏をバカンスにあてる。また内部留保のある企業も長期バカンスをとる。これらのバカンスは7月、8月の間で一点集中させないようにする。
2.フランスと同様にバカンスを取得させない企業からは罰金をとる法律を作る。
3.旅行会社や交通機関は、期間限定で、電力が余っている関西、北海道、九州、そして東北地方でも被災しなかった温泉などへの旅行には、いつも高い夏の代金を20%安くする。
 専門家にぜひ計算してもらいたいのは、原子力発電所の海への巨大な温水の排水が海面温度をどれぐらい熱くしているのか? クーラー使用による温度上昇はどれぐらいあるのか?
 ぼくの考えるエントロピーの法則からは、科学を使って、温度を下げるとは温度を上げること、安楽な生活をするとは危機に向かうこと、そんな相関関係があると考えるのである。

 バカンス法の制定を提言する大分県グリーンツーリズム研究会

原子力村・マスコミ・検察に抹殺された無実の前福島県知事
 アマゾンからの告発 人類の生存可能性を問う 
 Twitter
朝日新聞天声人語氏は小学生以下か。医療被ばくについは後日記載予定