2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

戦場の性の真実 慰安婦のリアルティ3

戦場と戦争こそが格差を残酷にあぶり出す 彼らの駐屯していた山西省の奥地にも、鉄道沿線の街には、芸妓と称する日本のしょうばい女たちも、いなくはなかった。だが、彼女たちは、決して鉄道沿線の街から、生命の危険の多い、もう一つ奥地へはいってこようと…

戦場の性の真実 慰安婦のリアリティの2

田村村泰次郎は生き証人だった 田村泰次郎は、戦後の性風俗を描いた『肉体の門』の作家とされるが、『肉体の悪魔』『裸女のいる隊列』などの事実を反映している、戦場の性を扱った作品のほうにこそ秀作がある。 田村は昭和15年招集され、21年の復員まで、山…

*戦場の性の真実 慰安婦のリアリティの1

戦場は平時の悪が善になり、善が悪になる価値が転倒した世界である。平然と人を殺せる人間こそが英雄となる。モラルは簡単に瓦解する。人の地金が現れる。あるいは人間が人間でなくなる。そんな戦場の性のリアルティを描いたのは作家の田村泰次郎をおいて他…