2016-01-01から1年間の記事一覧

トランプに故チャべスの亡霊を見るーアメリカ大胆予測ー

不満渦巻く社会に突如現れる天才パフォーマー。選挙の合い言葉は、過去を取り戻す!人類が何度も見てきた光景のひとつだ。それは歴史の仇花なのか? トランプ主義とアメリカの行く末を占ってみた。 トランプが地滑り的勝利をする。私はそう確信した(後出し…

カストロ死す

日本に戻ってから、もう4ヵ月にもなってしまった。 今は次の書籍の準備で忙しい。 短信レポートはWedge Infinity で書いているので時々覗いてみて。 さて、カストロが11月25日に死去した。キューバは9日間、喪に服すという。そしてなぜか、いや、当然という…

ジカ熱か、疥癬か、それともベネズエラ病か?(5)

初老の大柄な医者は、問診をしたのちに、ぼくの上半身を見ただけで、自信たっぷりにいった。 「仕事がたくさんあって、ストレスがたまっていたのでは?」 「?」 ぼくはジカ熱の可能性を疑っていたので、血液検査をしろといわれるとばかり思っていたのだが。…

ジカ熱か、疥癬か、それともベネズエラ病か(4)

伝統治療しかない 「痛い!」 肩と首の皮膚がきりきり、ちりちりと音をあげる。塗っているのは、オレガノとニンニクを煎じた粉である。伝統治療以外に方法はなかった。2時間もしないで順番がきて、まるで教会の讒言の窓口のような注文口で、彼女がいくつかの…

ジカ熱か、疥癬か、それともベネズエラ病か(3)

下水溝から湧き出た汚水が道路を覆い、耐え難い臭いを放っている。路上はごみが散乱している。そして、案の定、薬局の前は価格統制商品を買うための人々の長い行列だ。 トイレットペーパー、紙おむつ、シャンプー、石鹸、小麦粉など身分証明書の番号によって…

ジカ熱か疥癬かそれとも、ベネズエラ病か?(2)

サンパウロでぼくの発疹に男たちが恐怖する 一度目はまだ20代で、本職のバックパッカーをやっていたころだ。症状が悪化したのは、ブラジルのサンパウロだった。はじめてだったので、体中にできた赤い発疹と叫びたくなる痒みが何に由来しているのかわからなか…

ZIKA(ジカ熱)か疥癬かそれとも、ベネズエラ病か?(1)

半生肉を食べる 夜、この街で一番というAsadorという肉専門レストランで、テンダーロインステーキを食べて家でソファに寝転がってテレビを見ていた。 一時間ほど後、突然頭全体が痒くなった。頭皮が痒いのである。それも叫びたくなるほどに。痒―い! 思わず…

ルーブル美術館と食とテロリスト(5)

ぼくは野菜がはいっているシシカバブーを注文した。店内にはずいぶん昔に見かけたか登ったことのあるタワーがある。きっとイスタンブールだ。聞くと店長らしい男が嬉しそうにそうだという。トルコ人の店なのだ。 イスタンブールなどもISによるテロ事件があっ…

ルーブル美術館と食とテロリスト(4)

ビール、生ガキ、魚のスープ。サン・ジェルマン・デ・プレのカフェだ。フランスではできるだけ単純な料理を食べることにしている。それでも日本の2倍ほどの値段だ。 以前、シェフが作ったという、テロにあったシュルリー・エブドの目と鼻の先のホテルで、コ…

ルーブル美術館と食とテロリスト(3)

6時間近く歩いてくたくたになった僕は早々、美術館を出て、行きつけのカフェでワインに生ガキで舌鼓をと思っていたが、左右の煌びやかなショーウィンドーの城壁に囲まれた長い長い迷路にとりこまれてしまった。人呼んでCARROUSEL DU LOUVRE カルーゼルデュル…

ルーブル美術館と食と同時多発テロ(2)

パリは朝の8時を過ぎても薄暗い。北緯48度と北海道よりも地球の上にあるせいだ。店もほとんどすべてしまっている。まるでオルランド大統領のいうように戦争前夜のようだ。先日日本で見た映画 ブリッジ・オブ・スパイを思わせる。映画は冷戦開始の時期を舞台…

ルーブル美術館と食とテロリスト(1)

ルーブルに行ってしまった。 ルーブル美術館のような大御所といっていい場所は、ぼくには敷居が高い。だから、ポンピドーセンター、ピカソ美術館、オルセー美術館などは訪れても、ここはいままで敬遠してきた。 若いころ、美術関係の仕事にほんの短期間従事…