番外編 調布FM 「気分はいつもブルースカイ」に出演 10月27日(日) 午後6時~7時
上記にゲストとして出演します。コミュニティラジオは大きなマスコミとは違い、忖度なしで事実を話せるので貴重です。選挙速報の前に笑いたい方には相応しい内容となっています。「グローバルサウスで学び、旅し、働き、住んでみたー世界を潜入取材するー」に沿ってお話しますが、選択した5曲については、多くを語れなかったので、少し解説します。
Las Chicas Del Barrio Obrero La orquestra la playa 1974
いまから50年も前のアルバムの中の一曲ですが、いまだ中南米ではフィエスタなどで
かかるコロンビアのクンビアの珠玉の名曲です。このアルバムには、私の好きなCumbia tropicalも含まれています。いずれも浜辺で男女で踊るためのものです。詩は「下町で少女が泣いているので、なぜときくと、誰も踊りにつれていってくれないの」といったたわいのないものですが、哀しいことを明るく歌う中南米の真髄がここにあります。メキシコやボリビアアマゾンの吹き抜けのディスコで踊ったことが思い出されました」
ー掘っ建てのディスコに風が吹き抜けて魔法のごとく恋花が咲く
2.Hara Hara Gange
1994年にインドのマンガロール郊外でサイババに毛蟹を出してもらいにいったときに購入した「SAI BABA」というレーベル13曲のうちの一曲です。
Hara Hara はサンスクリット語。最高神であるシバ神の呼称。Gangeは、ガンジス川です。インドには大企業から請け負った投資調査に行ったのですが、生活・文化・宗教なども調査項目にあったのです。まあ、駐在員が住めなくては、仕事になりませんから。
経済、国際関係はそのつど変わるので、投資で重視するのは基層文化です。
1.人は親切か? 2.民族問題が苛烈ではないか? 3.土地との絆はあるか? 4.国や地域の出自はどうか? 5.その他特殊要因(インドならジャティ―ム)。
さて、サイババと誕生日が同じ現在のベネズエラの独裁者マドゥロもサイババ信者です。
ーサイババは死して信者を残したり 何を残さん秋の夕暮れ
Get up Stand up Bob Marley and The Wailers 1984
独裁政権下のベネズエラのバレンシア市で、政府の役人を含め若い男女といっしょに早朝までボブマレーの曲で踊りあかしたことを思い出します。いまだボブマレーは独裁やファシズム、戦争に対する反抗の歌として歌い踊りつがれる永遠の音楽です。私が深くかかわった以前のチリ、今のミャンマー、ベネズエラ、レバノン。そしてパレスチナ、ガザ、ウクライナなど、ボブマレーが生きていたらと思わずにはいられません。
ラジオでは犯罪立国したベネズエラの事実を話しました。
―国追われ友親戚は散り散りに 生死分からず難民という
Cambalache Astor Piazzolla/Goyeneche 1982年のライブの中のひとつ
南米ではある程度文化や社会の知識のある人は、裏があったり、でたらめだったり、利己的だったりする事象についてCambalache だなということがあります。
南米の3つの嘘は、1.お金貸してよ、明日返すから 2.一杯だけ、一杯だけの飲もうよ、3.アルゼンチン経済
アルゼンチンは社会構造から左と右に交互に揺れる社会で、まったく信用ができません。デフォルト(債務不履行)回数は9回と世界トップ。うまく国からかすめ取るのがアルゼンチン。それはインディオを絶滅させたこともひとつの理由です。土地とのつながりが弱いとすべてがかりそめとなります。
ー荒涼と吹きすさぶ風今人なし 羊パクるぞ! パタゴニア無法
詩の一部は次のようなものです。21世紀にもいっそう当てはまるようです。
この世はごちゃ混ぜだ
善人も悪人も見分けがつかない
泥棒も聖人も、詐欺師も慈善家も学者先生も
ロバも大統領も汗水たらして働く人も他人のおかげで生きる奴もみな同じ。
殺人者も医者も。20世紀古道具屋 すべてが不道徳
地獄の業火の中でみんなまた顔を合わせることになる
(注:本ブログの曲はRuben Juarezが歌っています)
A Feliccidade Nana Leao(黒いオルフェ主題歌)
The BOSSA NOVA SPECIAL 2007 というレーベルの一曲で唯一日本で購入したものです。映画黒いオルフェの中の主題歌のひとつ。Nara Leao が歌ったのもかなり前でしょうね。映画もこの歌も懐かしいものです。
1988年当時、ぼくは無一文無国籍でコパカバーナの裏手にしばらく潜んでいました。
そのときに、幸せははかなくしかし金があろうがなかろうが、幸せは等価であると学びました。貧困ならばわずかなことで幸せを感じることができる。日本では「悲しみよさようなら」という題がつけられていますが、そぐはない。「はかない幸せを抱きしめて」ぐらいのほうがよさそうです。
ー肉体の奥に刻みて甦るサンバの響き 愛しき女(ひと)よ
詩の一部は以下のとおりです。
悲しみには終わりがない
しかし幸せにはある
幸せは風に運ばれていく羽のようなもの
軽やかに舞い上がるが
その命は短い
風が絶えず吹き続ける必要がある
貧しい者の幸せは
大きな幻想のように見える
雲のように美しい
でもすぐに消えてしまう
ところでおまけの一曲です。パーソナリティの峯卓人(ミネタクト)さんは、シャンソン歌手。以前は広告業界で新潮社の新刊を電話で宣伝する業務に長年従事していて、電話に作者の言葉を吹き込んでいたそうです。また、同じくパーソナリティの沙木実里(サキミノリ)さんが歌の詩を作っています。
「気分はいつもブルースカイ」は20年を超える長寿番組。継続できることがすごいですね(それでもインドに投資するか 続く)。
アダモ 「愛は君のように」