*朝日新聞は死んだ?

 今朝の朝日新聞の二面に「セシウムでの健康被害 未確認 チェルノブイリ事故」との見出しが躍る。
 記事の最後は山下俊一長崎大学教授の「現地の人は汚染されたキノコや野菜を食べ続け、体内にセシウム
 137を500〜5万ベクレルぐらい持っている。しかし、何ら疾患が増えたという事実は確認されていない」
 との言葉で終わる。

 私の手元には「チェルノブイリ汚染大地 5年目の報告」(朝日新聞 取材班)という書籍がある。
 その中で、朝日の記者たちはこう書いている。

 66頁 白ロシアの首都ミンスク。第一病院付属子供血液センターは、1990年2月、30ベッドから60ベッドに倍増した。入院患者の半分近くが白血病の子供たちだ。(朝日記者)
 「この子に未来はありません。死を待つばかりです」(ロシア人)
 68頁 「今週の月曜日だけで、3人の子供が死んだ。昨日も一人が死にました」(ロシア人)
 226頁 「汚染地で多発している病気と放射線の関係を認めようとしない」(ロシア人記者)

 さて、どういう意図で新聞の記事を書いているか知らないが、朝日は自分の紙面かあるいは書籍で嘘をいっていることになる。 
 私はいたずらに恐れを煽っているのではない。子供、乳児、妊婦に対して、別の扱いがあってしかるべきだ、というのだ。50キロ圏内でも避難したくても避難場所がない人々には、施設を提供すべきである。

 それにしても、勉強不足なのか、デスクが内容を吟味しないのか、あれこれ腹が立つことが多い。他者を非難するのは好きではないし、身体にも悪い(いかりはたとえばがんを助長するという研究もある)ので、もうこの手の記載は終わりにしたい。ほんとうは竹内敬二編集委員に文句を言おうと思ったが、やめた。
 むなしいばかりなのだ。
 
 人類の生存可能性を問う
 Twitter