さて、ベネズエラのバレンシアである。この街はロサンゼルスを少し小さくした感じである。
車がなくてはどこにもいけない。サンフランシスコとは違う。
ただみたいなガソリンのおかげで、車の洪水。自転車もあまり見かけない。だから運動不足
のベネズエラ人はみな太っている。
だれもが高脂けっしょうだ。
ところがぼくは車を持っていない。だから、今のところ歩くしかない。
住んでいるのは高級住宅街。スーパーも遠く離れている。
近いレストランまでも20分歩く。
歩いている人間はほとんどいない。
まわりは城壁都市; つまり治安の悪い地域で見かける、頑丈なドアや扉とガードマンに警護され、
エレベーターに乗るにも、部屋に入るにも二重扉で、鍵がいる。
なにせ鍵だらけだ。
治安はここ数年悪化し続けている。とはいえ、日本のように病んだ犯罪は少ない。わかりやすい
金目当ての犯罪だ。誘拐は世界一多いという噂もある。
都市化と治安の悪化は人の新たな絆を拒む。
ぼくのいる高層マンションでは階下で土曜の夜はいつもフィエスタがある。遅くまで音楽がなる。
だが、かつてぼくが住んでいたアマゾンやメキシコのベラクルスのように開かれていない。
もの珍しそうに見ている他者ーぼくのことだがーを招くことはない。
閉ざされたうちわだけのフィエスタだ。
さて、日本は家族が外部への経路がなく閉ざされているが、まだベネズエラは親戚、知人には
開かれていて、うちわのフィエスタは満員である。
7月26日