バレンシアより第3報です。

 コーラ(COLA)に耐える。


 コーラといってもコカコーラではない。コーラとは尻尾を意味するスペイン語だが、ここでは行列、渋滞を意味する。


 
 まずは車。朝から渋滞だ。道幅が狭いこともある。山間に作られた道は、2車線の一方通行で、始終込んでいる。40キロの程度の道を1時間近くかかってしまう。その上、事故が多い。崖の下、路上にぺしゃんこになった車をたくさん見かける。すると渋滞だ。どうにか交通事故にあわずに帰国したいものだ。

 もうひとつの渋滞、行列はスーパーマーケット。かつての社会主義国のように少ない物を求めての渋滞ではない。物価は異常に高いがものは豊富で何でもある。レジはいつも10数人の行列。車社会なので購入時にはたんまりと買う。だから時間がかかる。
 レジは特急、鈍行などと分かれている。特急は購入口数が10個以下の人が並べる。なかにはある企業の人間だけが並べるレジ、そして秤がこわているレジ(野菜などはレジで量って金額がきまる)があるので、よくわからない人間は並んでいても、別の列に行けといわれ、レジだけで1時間もかかることがある。

 もうひとつ、これはコーラではないが、洗たく機がやけに時間がかかる。その上、この洗濯機はよく踊る。叫ぶ。最初知らずに上に洗剤や電話機を置いておいたがすべて落下してしまった。電源コードが抜けるほど、遠くへ動いて行く。ド、ド、ド、ド、ド、という音とともに。まるで地震のようだ。

 先日、近所のカスーポ山へ登った。バレンシアの街は高層住宅が目立つ。しかし農地はどこにもないのだ。