風樹さんからベネズエラよりの第1報

「今日で、ベネズエラ滞在が18日。本日24日は南米独立の父、シモン・ボリーバルの誕生日で祝日。
 ボリーバルは、エクアドル、コロンビア、ベネズエラパナマをグランコロンビア
として独立させた。連邦制の南米の連合を考えていたわけだ。
 その志を継ぐ、あるいはボリーバルを利用しているのが、ベネズエラの大統領
ウーゴ・チャーベスだ。
 彼はベネズエラの国名を、ベネズエラ・ボリバル共和国に変えてしまったほどだ」
 
「彼のボリバリアーノ革命は、海外のメディアでは、とくに日本ではなかなか
評価が高い。
 けれども現地ではまた事情が違う。知識人、中産階級、マスコミは反対派が多い。

 それにものが高すぎる。為替管理のせいもあるが、現地ボリバル通貨はオフィシャル
が対ドル2.2ぐらい。実際は3ぐらいが為替レートとなる(ブラック)。

 日本で200円ぐらいのサンダルが1500円、マクドナルドの最安値の
セットが、1000円もする。食事、衣類など日本の2−3倍の物価水準だ。

 それでも、レストラン、ショッピングセンターは日本よりもにぎわっている。
革命後、新たに職を得た人間たちが懐を暖かくしているのだろう。

 でも、革命後、職を失った人々は?」

「たとえば、2002年にベネズエラに騒乱があったとき、チャーベスを失職させるための
署名が集められた。たぶん、何百万にあたるだろう。そして、その署名は政府に売られ、
署名者は企業の要職にはつけない」

「それでも、プロカサ(貧者に家を安く建築)、バリオ・ア・デントロ(貧民街へ)
などのプロジェクトで、貧者たちはきっと以前に比べて、生活はましになったのだろう。
 カラカスのまわりの山間部のバリオは、ブラジル、ボリビアなどと比べてだだった広く、
夜には山肌にへばりついた家々の光が新たな宇宙のように君臨している。
 家を造っているのはイランの企業である」

 「では本日はチャオ!」

 今日はボリバルの誕生日でかたい話になったけど、今後機会があれば日常生活について
書いてくれそうだよ。