目の前で炎上した

 

もっと刺激的なことをと望んでいると、次々と南米的な事件に襲われた。

 1.炎上
 ボーリングを楽しんだのちに、郊外の家まで友人を送った帰り道、数十メートル前で、炎が舞い上がった。
トレーラーに乗用車が衝突したのである。
 車を止めて、外へ出る。夜の通りに、美しい炎が燃えている。時々、炎は轟音とともに夜空をつく。
 炎が収まるまで、停車して待たなくてはならない。

 10分、20分、そのうち消防車が来て、消防士たちが消化作業を始めた。白い煙がもうもうと立ち上る。
消し止めたかなと思ったが、ガソリンが満タンだったのか、炎はしぶとい。再び舞い上がる。

 消防士たちも、これはだめだと、思ったのか、消防車に乗り込み、さっさとどこかに行ってまう。

これではいつになっても家に戻れない。

 ふっと後ろを見ると、渋滞は長くはない。舗装道の横に砂利道があり、数台の車がバックすればその
横道に入り込むことができる。
 
 そこで、「バックすればいい」と歩いてそれぞれの車両に合図をする。バス、トラック、乗用車などが
少しづつあとずさる。先頭にいるわれわれの車両は10分ほどのちに方向転換し、来た道を戻ってから横道
に入り込み、車を進める。道路わきには、野次馬となった近所の住民が鈴なりになっている。

左手に、いまだ燃えている車を見て、砂利道を走った。目の前には、衝突してもほとんど傷のない大型ト
レーラーが止まり、数人の警官が検問している。

 乗用車に乗っていた運転手ほかはどうなったのだろうか?