VIAとは道、つなぐなどの意味である。つまり、この状況では、体と器具をつなぐためのものをつける、つまり注射針を腕にさすのだ。そして、点滴をするということだ。
突然だが、受験生諸君、あるいは英語や外国語を学ぶビジネスマン! 単語はそれとなく基本の意味さえひとつしっていれば、あとは状況、文脈から判断し、想像し派生すれば、それでうまくいくのだ。
そして、みなさい! 想像とおり、ぼくは注射針を腕に刺されて、固定された。そして想像とおり痛い!
その針をつけたまま、しばらくぼくは座ったままだ。
研修医は一仕事終わったというぐあいに、二人ともどこかへいってしまう。
いまだ。
ぼくはととなりで、しーはーしはーやっているふとっちょに幾分目をくれ、よろよろと歩いて、ベッドの上へとよじのぼり、横になった。
ああ、楽だ。
寝るほど楽は無い。
他人を出し抜いたのも気分がいい。
ふとっちょはちょっとびっくりしたような目でぼくを見ている。
だが痛い。左側に体を倒すと、針が食い込むのか、痛い。だから、まっすぐ天井を見ている。
早く、点滴をつけてくれ!