時代錯誤チャべスの厚顔

2010年 5月23日   

チャべスのハロープレシデントが11年を迎えるという。それは毎日曜日にチャべスがテレビに出て、市民=国営企業やチャビスタが中心、に現状の国家の問題や計画について話すものである。

本日は、私の家のそばのグアカラーラにきて、中国が資本・技術参加している、鉄道(カラカスープエルトカベージョ(カリブ海ベネズエラ最大の港)までの線路を視察している放映をしている。

集まったのはチャビスタの市長12(残り2は反対派)と鉄道会社の社員である。彼は国営鉄道企業に「いっそう早く開通するように(2012年ころ)」と念を押し、

「この資本は海外からきている。もし少なければ世銀やヨーロッパの銀行に借りればよい。オリノコの石油にしろ企業はみなクレジットとともに来ている。予定とおり支払わなければ、工事ができないという海外私企業があるが、われわれはそんなことは許さない。最後は払うのである。文句をいう企業には変わってもらい、他を探そう。すべて社会主義のためだ!」

それに対していくつかのぱらぱらとした拍手。

 あーあ、なんという時代錯誤
 本音なのだろうか? それともただの人気取りでいっているのか? 金利という考えはないのだろうか?

 金なんかいつか返せばいい、というのである。

 チャべスが目指すのは、社会主義共産主義、けれども、この11年間で達成できたことといえば、国中にはりめぐされた「社会主義にあらずんば、死を!」という時代錯誤の標語、殺人率50前後の治安の悪化、とてつもない国庫の散在と腐敗、そして水も電気も供給できない生活インフラの破壊である。

 それでもなぜ大統領なのか?
 
 石油があるからである。
 金をまだばらまけるからである。
 大企業を国営化することで政治的・生活の人質をとることができるからである

 もしも、今後、エネルギーの多くが「リチウム」に変わったとき、原油以外何もないこの国はどうなるのだろうか?