*ワールドカップ 怠け者が勝利する

 南米でワールドカップを見るのは2度目である。今回はサッカーが第二、第三の人気でしかないベネズエラである。それでも、スーパーマーケットには、参加国の国旗が張られ、道路では国旗が売られている。応援する国の国旗を立てて走っている車も散見される。

 ベネズエラは、南米以外では、スペイン、イタリア、ポルトガルの人気が高い。移民たちにとって、もともとの祖国というわけだ。
また、仕事中も試合が見られるように、衛星中継が見られるテレビを用意しているオフィスも多い。

 私はそんなオフィスのひとつで、大スクリーンで、南アーメキシコ戦を見た。ああ、まだ37、8歳のかにバサミのブランコが出ているのだ。やっぱりうまくはあったな。

 それにしても日本は盛り上がりに欠けているらしい。4度目の出場なのに、どうみても史上再弱にみえるのだからいたしかたない。

 気になるのは、日本人のメンタリティゆえに勝てないのではないかということだ。元陸軍と同様で、同じ過ちを何度も繰り返す。無理を承知でマスコミも選手も監督も現実から遠く離れたことを言う。いつものとおり、耐久力のない日本人は、最後の10分で次々に失点するのは目に見えている。

9 0分間、走り続ければ勝てる!

 ばかな。どこの国の選手が90分走り続けられるというのか。そんな非現実的なことをいう解説者(おまえ、現役のとき、90分走り続けたのか!)、マスコミ、選手、監督は、すぐにサッカーの舞台から消えてもらいたい。そんなことを言う、挑む限り日本のサッカーに未来はない。体力のない日本人が目指すのは、省エネサッカーである。

 つまり、いかに怠けるか。それがサッカーの勝負を決めるのだ。

 もともと日本人は働きものに見られるが、実は怠けるのもうまい。営業マンを見てみぃ。パチンコ、映画、漫画喫茶、ホテル、などで、息抜きをしているのだ。

 だから、いかにメリハリをつけて、ダウンする時間を作るか、いかに自陣でパスをまわしてスローダウンするか、そのような練習こそが大切なのである。

 そのためにはリズムを変える必要がある。阿波踊りと盆踊りを交互に躍らせる、あるいはレゲントンとカポエラを踊る、その音楽が聞きながら練習する、
そんな練習が日本には必要なのである。

 報道によると、やっと最近、90分走るなど無理と少しわかってきたのか、ペース配分を考え始めたらしい。おそきに失した感はゆがめないが。

 カメルーンデンマーク、日本はコンディションも悪く、主力が離脱したりしている。どんぐりのせい比べなのだから、いかに体力温存のためにメリハリをつけられる、それをチームとして統一してできるならば、最後の10分で崩れることはない。

 お馬鹿からお利口への道、それが勝利の道である。