勝った、でも運だけでは続かない

日本が勝った。ホーム以外で始めて勝ったのだから、日本サッカーの歴史に刻まれる祈念すべき勝利だろう。

 この千金の一点は、相手の弱点をずっと狙い続けたベンチと松井の得点である。もちろん、相手ディフェンスをひきつれた大久保、そして大久保とポジションチェンジをして実際に得点をした本田の得点でもある。

 コンディショニング、交代選手の選択(フォアードを入れたこと)、まだ老獪なチームにはくらぶべくもないが、最後の10分、5分の時間の使い方、が以前と比べれば、ずっと進歩したといえよう。
 また本田がキープしている間、他選手が休む時間が少しでもとれたことが大きい。

 この勝ちはこれまでのワールドカップの敗北の歴史が生かされていたわけだ。

 ただ、運もよかった。同点で終わってもおかしくなかったのだから、反省材料は大有りである。もっと勝負強いチームにはリードしていても勝ちきれるとはいえそうもない。
 最後の10分、やはりラインが下がりすぎる。中盤で誰かがキープできなければ、上位のチームには厳しいだろう。

 幸い、コンディションの悪い、カメルーンデンマークという相手である。互角の実力ならば、情報戦、相手の弱点をいかにつくかというコーチングこそが勝負を決めよう。

 次節、デンマークカメルーンは、希望でもあるが0対0か1対1で分ける可能性が高い。オランダとは最高で引き分け、敗北も0対1とすれば、もしデンマークカメルーンに勝ったとしても、最悪最終戦デンマークと分ければ、グループリーグを突破できる。

 オランダとはどうにかして分ける。

 これを現実的な目標としてもらいたい。そもそもこの勝ちも現実に徹したからこそ、勝てたのだから。