過剰反応せよ

 昨日、京都から帰京した。理由は、

1.自衛隊東京消防庁の放水のおかげで、再臨界の危険が去った可能性が高い(使用済み燃料プール)。この放水は再度行われると思われる。

2.爆発反応を起こすジルコニウムはほとんど燃え尽きたらしい


3.電気系統が数日で回復するらしい。

 ところが、帰りの新幹線で、放水したのに3号基から煙が上がっているという。その上、再度2号基からも。

 早まったか! 状況は好転しつつあるようだし、子供の授業も始まるし、お金もかかるので、もどってきたのだが。

 もし、水が入れても煙が上がるのならば、3号基は使用済み燃料(プルトニウム)貯蔵プールが壊れている可能性がある。すると、底抜けである。

 プルトニウムなので放射線物質の中では猛毒性が最高である。半減期は約2万4000年で、体内に取り込むと、骨では50年、肝臓で20年と評価されている。

 なお、無知で知らなかったが、こんなところにプルトニウムがある理由は、

高速増殖炉もんじゅが事故で使えなくなり、利用してはいけない軽水炉で、無理やりプルトニウムを使わざるをえない、なぜならば、海外諸国から日本は危険なプルトニウムを早めに始末しろと非難されていたから」なのである。

 3号基の火災は黒い煙なのでほかの電源コードなどが燃えているならばいいのだが、原因は不明だ。
 2号基からの煙は、格納容器からなのか、使用済み燃料プールからの排出なのか不明だ。

 不明というのは、さっぱり誰もわからないということである。

 というわけで、またも最悪に備える必要が生じ、放射線物質も大量に放出されている状況下、妻は船橋市に行き、東京に一家の戸籍を移し、今からでは遅いが子供たちのパスポートを取得することにした。

 明日掲載するが、海外と国内ではどちらが家族での避難費用が安くあがるかを検証してみたいと思う。

 それにしても日本も日本人も危機には脆弱である。

 外国人は自国ではないので日本を離れやすいとはいえ、西成で、「普通の国ならば戒厳令だな」とぼくは、東京から脱出してきた早稲田大学の講師(オーストラリア人)にいったものだ。もっとも、「ある意味、それが日本のいいところだけど」と笑って付け加えたが。

 再度いうが、ひどいのはテレビだ。

 もう目を覆うようなひどさなので名前をいうが、NHK科学文化部だと思うが、山崎記者というのがとんでも大バカ者! 

 彼の「だいじょぶ、心配する必要はない」というこの言葉は決して信じないように。我が国の原子力発電を推し進めてきた村主 進様(原子力システム研究懇話会 フェロー)によると、

「格納機に損傷が起こるような事故は、1000万年に0.5回の確率であり、炉心損傷事故も80年間生きても起きることはない、これは客観的な事実だ」

 という。だから安心だ!

 マスコミとは政府の言葉や専門家(今、出ている奴らは多くが原発での敗軍の将である。なぜ、かれらの責任逃れを垂れ流すのか)の言葉を検証して伝えるのが当然だが、最近は、完全にマスコミの機能が失われている。

 ああ、いつからこうなってしまったのだろうか。

 たとえば、被災地での子供の誕生を明るいニュースとして、とりあげるのは、なるほど意味がある。けれども、その子供の数年後、10年後の甲状腺がん白血病罹患率を思うと決して、喜ぶことはできないのだ。むしろ泣けてくる! 祈るしかない。

 そして、悲劇とは一人ひとりのものであり、学者の統計などは何の助けもならない。
以下、いずれも『チェルノブイリと地球』広河隆一 講談社

「小児甲状腺ガンという病気は、世界では100万人に一人発症するかしないかという非常にまれな病気だ。世界中のどの国もほとんど経験していない。それが汚染地域では、世界平均の数千倍の発症率を記録している」

「90年夏にナターシャの死を知った。肉腫だった。95年夏にはオルガが肉腫で死んだ。あと数日で14歳だった」

 政府は、妊婦、幼児、こどもの被害を最小限に押しとどめるべき動け! 

 唯一、衛星の朝日ニュースターニュースの深層」には、広瀬隆さんが出演していた。こちらのサイトでぜひ、彼が出演したテレビを見てほしい。

 歴史が誰の言葉を信じるべきかの評価を下すだろう。


 以下、資料です。5−8は、この事故を間接的に引き起こした敗軍の将たちです。証拠隠ぺいが始まると考えるのでダウンロードしておきます。マスコミ関係者もご協力ください。

 1.プルトニウム239 

 2.プルトニウムの毒性

 3.チェルノブイリ事故による放射線影響と健康障害

 4.チェルノブイリ事故から20年

 5.チェルノブイリ事故による健康被害
  私の判断では、統計とデータによる事実誤認か嘘と考える。日本の原発推進者によるもの。

 6.原子力・エネルギー勉強会 会長 村主 進
   チェルノブイリなんかたいしたことないといっているぞ!

 7「美しい星50」を実現するための 長期的エネルギー安全保障戦略のあり方
   〜 「エネルギー自立戦略50」構想
 8.発電用軽水型原子炉施設におけるシビアアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントについて 原子力安全委員会決定 平成四年五月二八日

最後に、村上進殿の言葉(原子力発電はどれぐらい安全か http://www.enup2.jp/newpage38.html)をぜひ、かみしめてもらいたい。

自動車事故は毎年発生しているが、炉心損傷事故は生涯の80年間に一度も起こらないと考えてよい。

 事実わが国では約1,000炉・年(各原子炉の運転年数を全原子力発電所について加算した総和)の運転実績があるが、大量の核分裂生成物を放出するような炉心損傷事故は一度も起こしていない。このことは一基(炉)の原子力発電所に換算すると、1,000年間も炉心損傷事故を起こしていないことを意味する。

 一方、確率論的リスク評価手法を用いて、わが国の原子力発電所における配管破断、機器故障の実績および人間の作業ミスなどの実情を基にして炉心損傷頻度を評価している。そして炉心損傷事故の頻度は炉・年あたり1×10−7以下と評価されている。

原子力発電所敷地内に10基(10原子炉)の原子力発電所があるとして、日本人の生涯の80年間にこの敷地内で炉心損傷事故を起こす頻度は、

1×10−7(/炉・年)×10(炉)×80(年)=8×10−5

となる。

 炉心損傷事故によって最も高い放射線被ばくをするグループでも、リスクが自動車事故と同程度であるので、事故発生頻度を考えると、原子力発電所の安全性は自動車事故よりも一万倍以上安全であることになる」