ディマは自然が好きで、毎日森の中を走り回って遊んだ。その森が放射能で汚染されていることは、当時は隠されていた。彼は森の中のホットスポット(高濃度放射能地帯)に入り込んでしまったに違いない。91年1月に彼は劇症性急性白血病になり、病院に運びこまれた。
たった一カ月の闘病ののち、彼は息をひきとった。最後の5日間、ディマは、泣き、叫び、暴れて死んでいったという。
「とても恐ろしい死にかたでした。もう誰もあんなに苦しむ人間がいないことを神に祈ります」。顔を覆いながら、そう母親はいった。
以上、チェルノブイリと地球(広河隆一 講談社)95、96頁要約
福島県飯舘村 福島第一原発から40キロ地点は、セシウム137はチェルノブイリの量とさほど変わらないという、報道がある。森林は永続的な空気のリサイクルシステムをもつため、白血病をひきおこす、セシウムの濃度は、雨天でない限り、とてつもなく高くなる(土壌の4倍)。
したがって、放射能の濃度は同じ地域でも場所によりまだらで、雨天と晴天ではまた違う。降雨がないときは、50キロ圏内の子供は藪、森の中に入らないほうが安全である。
そのようなことは誰も注意を喚起しない。専門家は、科学者、医学者であり、リスクマネージメントの専門家ではない。彼らは当然だがデータがない限り何もいわない。もっと悪いのは原子力村の科学者や医学者は、出典が改ざんされているようなソ連、ベラルーシの統計をもとに計算し、テレビで発言し、デマ、風評を流す。
大ウソが日本に流れる。
今、発言するのは、リスクマネージメントの専門家であるべきだ。データがない、あるいは隠ぺい魔王の東電や、政府関係機関によりデータが隠されているならば、対処できるのはリスクの専門家である。
ああ、それって、日本は自衛隊だけなのだろうか?
そして、なぜぼくのようなものがこんなことを言及しなければいけないかの?
昨日、外国人特派員協会の記者会見に出て、この人災の核心がどこにあるのか、それがうっすらとやっとわかってきました。その模様は月曜日に掲載します。
やれやれ、今頃になって、SPEEDI シミュレーション公開とは恐れ入ったぜ!