東京電力とよけい太郎

 先週、金曜日に取材に出かける少し前のことだった。ジャバーンといやーな音がする。あわてて、2階の廊下にいくと、水があふれ出ている。
 よけい太郎が顔を出す。
「なにやっているんだよ!」

 疎開する前溜めたポリバケツの水道水を、水道のヨウ素131が半減したので、新たな水道水に替える役目を長男に命じたのである。

 だがきゃつはたるんでいるのか、半分はいっていた大量の水をぶちまけたのだ。
「ばかもーん、早くふけ!」

 危機管理能力にたけている私めは、台所へゆき雑巾タオルをよけいたろうの異名を持つ長男に投げ、すぐに一階のふろ場へ走り、捨てるはずの新聞紙入れとバスタオルを手にし、降りた階段を脱兎のごとく駆け上る。

 ところがジャー、ジャーという音。今度は、築40年の襤褸やゆえ、中二階に廊下の水が、板や中天井の隙間から、昨年訪れた世界一のエンジェルの滝のように激流となって流れ落ちている。

 階段をのぼり、新聞紙を長男に渡し、すぐに中二階へ。

 そして、水に濡れた資料類いと、今にも濡れそうな世界中で買い集めた絵画を被害のない場所に移し、新聞紙とタオルで漏水の始末にあたった。
 
その間、40分。

 やっと水は干上がった

 生まれたときから、よけい太郎の異名を持つ長男の面もく躍如! きゃつは家族裁判にかかり、その日と翌日の掃除が罰として与えられた。

 さて、東電の福島第一原発のトレンチも水だらけなのだろう。

 1に隠ぺい、2に隠ぺい、3、4がなくて5に隠ぺいで、そして後手後手に回る、業務上過失致死と過失傷害を引き起こした犯罪者東電の罪と罰はいかん?

 本日株価がストップ安だが、江戸時代ならば、社長、副社長は目のおおうような罰(=市中引廻しの後、さらし首)、幹部は切腹、東電はもちろんお家断絶であろう。もちろん税金でわれわれが飼っている原子力委員会長や保安員も当然切腹である。

 彼らは福島、東北、東日本、日本どころか人類に対する犯罪を犯したのである。

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