東電VS原子力資料情報室

latinos2011-03-28


 3月25日に外国人特派員協会での「原子力資料情報室」の記者会見に出席した。メインスピーカーは、後藤政志(東芝・元原子炉格納容器設計者、博士(工学))さんと、崎山比早子(医学博士)である。

記者会見の模様は、ネットでいつでも見ることができる。

だからわざわざ行くこともないかもしれないが、私はこの人災の核心はどこにあるのか、マスコミの状況はどうなっているのか、また唐突に後藤政志さんが(元原子炉格納容器設計技師)が出てきたのか、それらを知りたかったからである。

 さらに、50キロ圏内の春休みの子供たちの注意点を聞きたかった。子供たちは天災があろうが外で遊ぶのである。

 内容については詳しいことは述べない。なぜなら上述したようにネットでみられるのである。
 私の言葉で概要だけいうと、

1.今後も収束には予断を許さない。たとえば、一号機は格納容器の温度を注水で下げ、下げると今度は蒸気が上がり、格納気内の圧力が上がる。
 だから、注水に手加減を加える必要がある。圧力が上がると、ベント(排気)をして、放射線まみれの気体を排出せざるをえない。その微妙なクリティカルパスを渡っていかなくてはならない。

2.べントにはウェトウェルベントとドライベントがあり、下部の圧力抑制プールからのウェトウェルベントだと水があるため、そこで放射線量は抑制される。 けれども、バルブが作動しなかったか、放射能濃度が高く、不可能だった。だから、ベントするときはドライベントとなり、放射線濃度はひとけた高い。
 
3.子供の行動についてはデータがないのではっきりいえない。もっと細密な調査がいる。なぜ緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の結果をもっと早く公表しないのか。

 記者は60人〜70人で外国人よりも日本人記者のほうが多いぐらいだったが、大きなマスコミがきているような感じではなかった。

 この記者会見と、記者会見終了後の後藤さんの言葉
「格納容器が損傷している可能性があるとピントきて、もう危ないとおもって出てきたんです。それでなければ公に出ません。東電にプレッシャーをかけてデータなど公表させなくては」
 そして医者である崎山さんの回答(子供の日常生活について)から、次のような構図が浮かび上がる。

 現状は(東電、東大系の学者、保安委員や原子力委員会、日本のテレビ)VS(原子力資料情報室、外国メディア、中小マスコミ、テレビでは朝日ニュースター)という構図がある。
 この件は後日詳しく述べるが、早急に国民による原発裁判を開く必要がある。

 また、技術者、医者はデータがなくては判断を下せない。が、データ収集まで時間がかかり、その間にも事態は進展する。誰かが判断しなくてはならない。

 それにしても、この会見上にきたのは、何年ぶりだろうか。20年前に「変貌するソ連と日本の対応」を発表したときに司会をして以来である。今度は聞く立場となったわけだ。まさか、こんな事態でくるとは思いもよらなかったが。

 3月25日記者会見模様
 3月26日記者会見模様
 人類の生存可能性  
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