自主避難という罠?

 さて、ぼくは関西疎開で20万円弱の費用がかかった。福島第一原発の事故が原因となった損失だ。もちろん東電に請求する。どの部門が窓口かを電話でカスタマーセンターに聞いた。そのやりとりは以下のとおり。

原発事故もあって、子供が幼いので関西に一時疎開したのですが、その費用はどこの部門に請求したらよいですか?」
原発のご近所の方ですか?」
「いえ」
自主避難ですね」
「ええ、そうです」
自主避難に関してはまだはっきり決まっていませんが」
「じゃあ、そのうち受け付けてくれるんですね」
「ええ、そこのところもちょっと」
「わからないんですか」
「すみません、少しお待ちください」
 この間、5分近くも待たされた。
「大変おまたせして申し訳ありません。自主的な避難となると、いまのところ、そのような受付の部署はございません」
「いまのところというのは、今後はあるかもしれないのですね」
「自主的となりますとなかなか」
「でも、3月15日ぐらいは全く状況が不確定でしたし、避難した人は多いと思いますが」
「ええ、でも、避難というのは、それは国が決めたことですから。その避難地域の方でしたら」
「ええ! 東電さんは避難と無関係なんですか? 原因は東電ですよね」
「でも政府のほうで決めることですから。それに、そのへんのところは原子力損害賠償制度に則って行うので」
「その制度に則った場合は、支払う責任がないということですね」
「ええ、残念でありますがそういうことになってしまうかと」
「そそ、その原子力なんとかって、国がやっているんですね」
「ええ、国のほうです」
「でも、半分ぐらいでもだめなんえすか。お金がなくてこまっているんですが」
「それはむずかしいようですね」
「あと、親戚があちらのほうにいるんですけど、東京の保養所の開放とかはあるんですか」
「いまのところは、具体的にははっきりきまっていません。今後のことになると思いますが、いつとも決まっておりません」
「では、決まったらホームページで発表するんですよね」
「発表の仕方も決まっていません」
「はあ、そうですか。まあ東電さんには苦情が多いと思いますが、めげずにやってください」
 私はそこで電話を切った。なるほどぴーんときた。つまり、自主避難とは罠みたいなものなのだ。避難地域を広げないのは、賠償金を支払いたくないからなのだ? 
 しかし、だが、それも東電の嘘かもしれない。ぼくは東電よりはまだしも政府を信用している。裏をとるため、原子力損害賠償制度を管轄している、文部省に電話をすると、まったく別の事実が判明したのだ。

 これから出かけるので、「自主的避難は罠? それとも」は明日掲載します。

 参考
・客室は汚くされるのがいやなので、東電は自衛隊を冷たい廊下にほうり出しているとのこと。(週刊文春 文春の取材は光っているぞ)
防衛省 動画 ひん死の福島第一原発
南相馬市長海外マスコミへ訴える 
人類の生存可能性を問う
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