山下俊一長崎大学教授はどこまで信じられるか

 原発村はついにエースを出してきた。山下俊一長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長。
 世界保健機関(WHO)緊急被ばく医療協力研究センター長、日本甲状腺学会理事長、チェルノブイリ原発事故後20年間の医療協力に加えて、セミパラチンスク核実験周辺地域医療改善に15年従事。福島県放射線健康リスク管理アドバイザー」
 実に多くの肩書がある。しかも、長崎の被ばく2世だという。
 この人を信じられれなくて、誰を信じられるのか。そう思ってしまう。
 だが国でも世界でも公的な肩書のある人間は、疑え! というのが失礼ながら残念ながら、ぼくの習性である。誠意がありそうな人間こそ疑えと、意地が悪くひねくれ者のぼくは、考えてしまうのである。まったく肩書ゼロのぼくとは、天と地の違いで、社会は肩書がなくては信じてくれないので、潜在意識の中で心の狭いぼくは羨んでいるのかもしれない。
 彼はいわき市福島市などで講演を行い、「大丈夫、安全、セシウムなどまったく影響なし」といい、外国人特派員協会でも同じ言葉を繰り返している。
 なるほど、今のレベルならば、30キロ圏内でも、子供、乳児、妊婦を除けば、ぼくの年齢(40代―50代)のものはまったく問題はないだろう。(ただし現状)。
 けれども、彼のいくつかの言葉を吟味してみたい。
福島の講演: チェルノブイリ放射線セシウムを食べ続けて、20年フォローしているが病気は増えていない(甲状腺がんは除く)
広島・長崎・チェルノブイリの被害の実態 同教授: チェルノブイリには具体低な信頼できるデータがない、だから事故前後に産まれた子供達の比較対照調査を主な活動内容とした」
 ここで彼が問題としているのは、甲状腺がんである。
講演 娘が子供を産む予定の50キロ圏の母親の質問への答え
講演 教授「理性でなくて感情でならば、避難しても誰も咎めません。あとで後悔するのはよくありません」
同講演 若い人間の質問「原子力発電所はなくなったほうがいいと思っていますが、先生はどう思っていますか」
講演 回答「ぼくは被ばく2世です。でも元気です。科学によしあしはない。原子力発電をコントロールする方法は学ばなければいけません。私は廃止論というわけではありません。ニュートラルな立場で、被爆者で『長崎の鐘』で著名な医学博士永井隆はこういっています『祖国は敗れた、日本国民が科学者をあいがしろにしたからである。このエネルギーをよきものとして、この力を使うべきだ』と」
 さて、どう考えたらいいだろうか。たぶん、以下の講演を聞いてみて、福島市の人々の苦悩がわかるし、明確に答える山下教授が誠意があるように思われる。こんな人は信頼し、みな好きになってしまうのだ。
 明日、山下教授が出演する講演があるという。可能ならば、出てみて質問し、その結果を報告しよう。

福島市での講演 3月21日

2011.03.25(金) 【講演会内容】「放射線と私たちの健康との関係」(長崎大学大学院高村教授、山下教授講演・福島テルサ)(ニュース) - ラジオ福島 ワイドFM全局開局!AMでもFMでも!講演内容 ラジオ福島] 
 ところで排水処理だが、これはタンカーにしろ排水処理プールにしろ、いずれにしろ対処療法で、冷却のために使う水は原子炉から抜けて永遠に流れるのだから、(2万7セントもすでに注水)、この水をリサイクルして使う簡易施設を作るしかないだろう。うちの妻でも、それしかないよね、といっている。基本は科学者や専門家ではなくても、常識で考えればいいのだ。

 私の感では残念ながら、数10年後に当然人体に影響が出てくるだろう。生態系にも大きな変動があるだろう。けれども、「それは福島原発の事故のせいだとはいえない、統計的には誤差の範囲だ」といわれるに違いない。いつも国際機関や政府がやることである。

参考;
「国際がん研究機関による原子力産業従事者の疫学調査の統合解析」:放射線による白血病の影響
(小出裕章京都大学原子炉実験所助教)インタビュー・圧力容器に穴
放射線などへっちゃらといって原発突撃した副島隆彦 面白い。ぼくもそう思うが津波ではなく地震でこの原発はぶちこわれたと思っている。(他の原発津波対策だけやればすまそうとしている)
人類の生存可能性を問う
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