原発ムラに広報を学ぶ

 下記は2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」の「これが世論対策マニュアル」なる記事の抜粋である。原発ムラがどのような原理で広報を行い、ぼくを含め国民がいかに洗脳されていったかがよくわかる。
 週刊現代あたりには、この件は掲載されたのだろうか? 大マスコミ、とりわけ新聞やテレビは恥ずかしくてとても記事にはできないだろう。さらに、「原子力文化振興財団」の広報の方策は、人生の指南の書でもある。営業、広報、恋愛などあらゆる局面で利用できるだろう。
 ぼくらの税金が入っているのだから、活用しない手はない。
 また、月刊誌「原始力文化」の執筆者が誰なのかを知るのも興味深い。原稿料はいくらだろうか? まあ、ぼくのところに注文は決してこないだろうけど。
 さあ、君もあなたも、彼らの広報の方策、人の洗脳方法を学んで人生に活かしてみよう。

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原発推進マニュアル明記の主な「方策」
国民向け
★繰り返せば刷り込み効果
・人気タレントが「原子力は必要だ」、「私は安心しています」といえば、人々が納得すると思うのは甘い。やはり専門家の発言の方が信頼性がある。

・繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る。いいこと、大事なことほど繰り返す必要がある。

・政府が原子力を支持しているという姿勢を国民に見せることは大事だ。信頼感を国民に植え付けることの支えになる。

・夏でも冬でも電力消費量のピーク時は話題になる。必要性広報の絶好機である。広告のタイミングは事故時だけではない。

・不美人でも長所をほめ続ければ、美人になる。原子力はもともと美人なのだから、その美しさ、よさを嫌味なく引き立てる努力がいる。

★文科系は数字をありがたがる
・泥遊びをすれば手が汚れるが、洗えばきれいになる。危険や安全は程度問題であることをわれわれはもっと常識化する必要がある。

・戦争でも状況判断ができれば、あわてなくてすむと聞く。軽重の判断をするには基礎知識が欠かせない。文科系の人は数字をみるとむやみに有難がる。

原子力がなければどんなことになるか、例をあげて説明するのがよい。

・停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆であることを忘れないように。

・ドラマの中に、抵抗の少ない形で原子力を織り込んでいく。原子力関連企業で働く人間が登場するといったものでもよい。原子力をハイテクの一つとして、技術問題として取り上げてはどうか。

マスメディア対策
★良識的コメンテーターの養成
原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦出来るようにしておく(ロビーの設置)。

・数名からなるロビーをつくり、コメンテーターの養成に努める。役所でレクをするときに、意識的に良識的コメンテーターの名前やそのコメントを出す。

・ロビーづくりは無理にしなくとも、記者クラブ論説委員との懇談会を利用したらよい。常設せずとも、必要があれば主婦連の人を集めて意見を聞くなど、臨機応変に対応したらよい。

・いいスポークスマンは役所のプラスイメージになる。新聞記者が積極的に彼の意見を求め、記事の中に引用するようになる。そうすると、スポークスマンの考え方が新聞記者間に浸透するようになる。一種のマスコミ操作法だが、合法的世論操作だ。

★テレビディレクターに知恵を注入
・マスコミ関係者は原子力の情報に疎い。まじめで硬い情報をどんどん送りつけるとよい。接触とは会って一緒に食事をしたりすることばかりではない。

・関係者の原子力施設見学会を行う。見ると親しみがわく。理解も深まる。

・テレビ局と科学技術庁のむすびつきは弱い。テレビディレクターに少し知恵を注入する必要がある。

・人気キャスターをターゲットにした広報を考える。事件のない時でも、時折会合をもち、原子力について話し合い、情報提供をする。

・人気キャスターを集めて理解を求めることが出来るなら、これが最も効果的で、いい方法である。うまくやれば可能だ。それを重視させ得る知恵者を日頃からつかんでおく必要がある。

学校教育★厳しくチェック
・教科書(例えば中学校の理科)に原子力のことがスペースは小さいが取り上げてある。この記述を注意深く読むと、原子力発電や放射線は危険であり、できることなら存在してもらいたくないといった感じが表れている。書き手が自信がなく腰の引けた状態で書いている。これではだめだ。厳しくチェックし、文部省の検定に反映させるべきである。さらに、その存在意義をもっと高く評価してもらえるように働きかけるべきだ。

・教師が対象の場合、大事なのは教科書に取り上げることだ。文部省に働きかけて原子力を含むエネルギー情報を教科書に入れてもらうことだ。

原発反対派対策
★つながりをもって
・反対派リーダーと何らかの形でつながりをもったらどうか(討論会の開催など)。

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