時は死を刻んでいる!

新年度が始まったと思ったら、もうゴールデンウィークが始まった。しかも、今年の日本のGWは、1日、2日と会社をさぼってしまえば9連休。

でも……、4月に入ってからガラにもなく仕事をしていたせいか、どうも調子がすぐれない。本当なら、恋人の○○と、いやいや違う、家族といっぱい楽しい時間を過ごす予定だったのに。

いや〜な気分を払拭するには、ラテンの香りを味わうしかない。で、ラテンな気分を1日も早く取り戻そうと、本を買ってきた。


垣根涼介ゆりかごで眠れ中央公論新社


垣根氏は、『ワイルド・ソウル』で、第六回大薮春彦賞受賞、第二十五回吉川英治文学新人賞受賞、第五十七回日本推理作家協会賞受賞をトリプル受賞した作家さん。

『ワイルド・ソウル』は、アマゾンを舞台とする日本の棄民政策の落とし子たちが、日本にやってきてドンパチを繰り広げ、やっぱり最後はいい女をゲットしちゃう、痛快エンターテイメント。

さてさて、今回の『ゆりかごで眠れ』の舞台はコロンビア&日本。主人公は、もちろん日本の棄民政策の落とし子。

ストーリを説明しちゃうとネタバレになって怒られちゃうので書かないけど、読み終わった後は、やっぱりラテンだぜ!って気分になったことは間違いない。


彼らは、死を前提に生きている!


僕が主人公の物語『ラテンの秘伝書』にも書いてあるけど、人は刻一刻と死に向かって進んでいる。


時は死を刻んでいるのだ!


だから、ラテンの人々は自分や身内のために時を使う。では、そんなラテン人が他人のために自分の時を使うのは、なぜなのか? 僕は『ゆりかごで眠れ』を、そんな視点で読んでみたんだ。この本では、ズバリ一言。


信頼


ラテンの伊達男を目指す僕も、やっぱり根は日本人だから、とっても納得できるんだけど、根っからのラテン人はどう思うんだろうか?

物語の最後で、主人公は、やっぱり自分のために時を使うラテン人に……。う〜ん、連休があけたら、ズンビーノに聞いてみよう。

ケ・テ・バーヤ・ビエン!


ゆりかごで眠れ

ゆりかごで眠れ