めげない!

 めげない。それもラテン流のひとつだ。仕事で失敗しても、起業に失敗しても、女性から逃げられてもめげない。1度失敗しても次がある。また機会が巡ってくる。人生はゲームと同じだ。

 めげないを地で行くぼくの友人を紹介しよう。

  伊藤玄一郎(敬称略)をテレビで見たのは今からもう10年近く前のことではないだろうか?
 NHKアーカイブ番組「10年目の乗船名簿」だった。
 高校生の彼はパラグアイの原生林の中で、大木に向って空手の突きを繰り出していた。その番組は、中南米への移民を10年おきに取材する意図で行われていた。
 失墜、上昇、転落ーラテンの国では多くの移民が上昇と転落を繰り返す。ブラジルの移民は成功し、裕福になっても、強盗に入られて命を落すものも多かった。

 その伊藤から数年前に直接メールをもらった。
ラテンアメリカコンサルタントをいっしょにやろう」
「サバイバル道場を作ろう」という誘いだった。

 何やら会って、南米のよもやま話をしたが、とりわけ、ブラジルの魔女ーブラジルにはアフリカ発祥のカンドンブレ、キンバンダなどと新宗教があるーの街について話をしていた覚えがある。

 伊藤の究極の目標は、ユートピアの創設だ。

 もともと彼の父親は新しき村に参加し、パラグアイに60歳を超えて移民し、そこで牧場と学校を作った。パラグアイグアラニー族とイエズス会の宣教師が原始共同体を作ったところだ。
 ユートピア思想を育み、実験をするには相応しい場所。

 ところが、援助関係の仕事をしてきた伊藤は、日本帰国後、なかなか適職につけずに、ガードマン、土方など仕事を転々としているうちに、ついにアルゼンチンの美人妻に逃げられてしまった。だがめげない。


「ちくしょう、見返してやるぞ!」


 最近、アフリカのカーボベルデに援助関連の仕事を見付け、ついでにスペイン系の金髪のバツ1女性を見つけた。

「『元妻に若くて、いいい彼女を見つけたよ』って写真送ってやったら、『なかなかいい娘ね。がんばって」って返事がきた。妻を見返してやるんだ。もちろん、ユートピアも作るぞ!」

 団塊の世代の定年退職とともに、離婚を待ち構えている女性も多いときく。離婚ぐらいでめげずに新しい女性を探そう!


 ところでズンビ―ノに、信頼について聞いた。

「ラテンでももちろん、他人のために生きる人はいるよ。革命家とか慈善運動家も多いし宗教家も多い。昔は解放の神学っていって、キリスト教と左翼思想が結びついた社会変革の思想・行動もあったんだ。でも、革命家なんかは、途中で脱線して金に目が眩んで麻薬密売人になったり、グループごとそうなっちゃうのも多いのが実情だよ」


「信頼っていうのは、やっぱアミーゴの間の言葉じゃないかな」


 そういうズンビ―ノは落ちつかない模様だ。なぜってもうワールドカップだから。

 試合のある日は、会社も休むしかないな。 

 風樹さんも「サッカーの路地裏」を再開して、「意外だったのは、松井の落選」を書いているよ。久保の落選、巻選出は当然見るところは見ているんだな。フアンもジーコも。ふしあななのは、評論家やスポーツマスコミだ。


ケ・テ・バーヤ・ビエン!