福島第一原発は元特攻隊の基地だった

 標高35メートルの高台に広大な土地があった。
 戦争が始まる一年前、陸軍が住民11戸を強制移住させ、青年団消防団、大日本愛国婦人会、学徒らを強制作業させ、瞬く間に飛行場を造成した。
 最初は若年飛行士の訓練にとどめるつもりだった。だがこの国の為政者は、戦況が不利になると、将来を嘱望される若者の命を犠牲にした。特攻隊が次々と飛び立ち、海の藻屑と消えた。
 一体、何を守るためだったのか?
 長崎に原子爆弾が投下された日、双葉沖200カイリにアメリカ空母が忽然と現れ、艦載機が襲来した。飛行場と兵舎が、機銃掃射、爆弾による攻撃を受け、大破、焼失した。翌日、周辺の民家は焼夷弾で焼かれた。
 4日後、この国は降伏した。
 戦後のどさくさの中で、飛行場跡の大半は欲の権化のような政商に払い下げられた。土地の情報を得るために政治家になり、衆議院議員にまで上り詰めた人物だった。この土地で塩田事業を営んだ。事業は挫折した。
 

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 上記は現在ぼくが執筆中の若者向けの恋愛冒険小説の一部である。

60数年立って再び、大熊・双葉の地に特攻隊が現れたように見える。
 とりわけ福島第一原発の下請けの労働者たちは、悲惨な労働条件とさほど高くない報酬下、命と健康を危険にさらしている。他に仕事がないから、という人間も多かろう。さらに、他者のあるいは国家のためになっている意識は、高揚感を人の心に与えることがある。
 けれども、これは労働なのである。
 彼らは、いま見捨てられたか、あるいはあきらめてしまったのか、あるいは事実を直視したくないのか、原発30キロ圏外の母子などと手を結ぶのがよいと、ぼくは思う。
 多くのことを、東電と政府に要求することができる(続く) 

怒れ足立区荒川区! 新潮45」6月号

クリストファー・バスビーインタビュー記事以前紹介した放射線リスク欧州委員会のクリストファー・バズビー教授です。
彼は日本に来てしばらく福島などで調査していました。低線量でも健康に影響ありとして、放射線の影響についてのモデルを作成している方です。

ドイツで原発由来の白血病1:残念ですが現実を直視して、勇気ある行動するしかありません。子供の、幼児の命を救おう!

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