誰が信じられるのか?

 ぼくはテレビの報道、学者と言われる人々の言葉は、残念ながら信じられない。彼らは、東電や政府ともともと一体の人たちであろう。

 大学の専門家は東電と同じで、ある意味、原発で生活し、暮らしてきた人々である。決して自分に不利な情報は流さないだろう。

(たとえば、ぼくは海外援助をすることで暮らしていたが、援助額は多すぎると、10年前に本で批判した、おー、すばらしい、こんな人こそ信じられる! では,原発を作ることで暮らしていたが、危ないからやめろ! といっていたならその専門家を信じろ!)
 
 大マスコミ、とりわけテレビといえば出てくるのは東電より、政府よりの専門家だけなのである。

 NHKの科学文化部のある記者などは、「すべて想定して作っているんですが、それを上回ったってことです」と東電よりの発言をしていた。テレビは、微妙なところは、政府べったりなので大本営発表と基本的に同じといっていい。

 たとえば、外国特派員協会で何度も記者会見を開いている、東芝・元原子炉格納容器設計者の後藤正志さんは日本のテレビからは声がかからない。テレビ局は、本当のことをいわれると、政府との関係が壊れ、放送免許が取り消されるとでも思っているのか。

 それともテレビ局は、政治家(自民も民主も同じで、民主のほうがまだまし。自民政権だったら対応はもっとひどかったに違いない)や業界の利益のために存在するだけなのか。

 結局、頼りになるのは、インターネットと雑誌だろう。

 私の場合は、すぐに頭に浮かんだのは、広瀬隆さんだった。個人的に知っているわけではないが、長い間初期のころから日本の原発について、批判を続けている方で、学者よりもずっと頼りになる。(ただし、彼の経済や政治についての本はあまり信じていない)

 彼の言葉がマスコミにのるのをずっとまってきたのだが、今週の週刊朝日、そして、DIAMOND ON LINEにて掲載されている。

 このように、政府とその取り巻きが信じられないのは、なにも日本だけではなくアメリカでもどこの国でも起こりえることだ。

 自国内の事件や事故は、さまざまな利害関係や責任の所在があり、明らかにならないものである。だから本当のことは、外国にしか伝わらないのだ。あるいは何十年もあとになって、本当のことが知らされるのである。
 今回の人災でも同じ経過となることだろう。

 実はチェルノブイリに一歩手前だったと!