*仮面を剥がされたサウジアラビア ムハンマド皇太子(2)

事実はマスコミには書けない
 その日の夜、もっと恐ろしいこんな話をK氏に聞いた。

 ある国の駐在員の妻が殺され、第一発見者の夫が疑われて拘置所に入れられ、その国の大使館や派遣企業が解放に手をつくした。けれども、拘置所を出た時には精神に異常をきたしていた。
この手の話は欧米や日本の駐在員の間で語り継がれる都市伝説のようものかもしれないが、いい悪い別として、サウジの国柄からして欧米流の人権は通じないのだから、ありそうなこと思え、恐怖を感じたのを覚えている。

 あれから20年ほど立った今も、そんなサウジアラビアの状況は変わらないままなのだろうか?

 その日の夜、もっと恐ろしい話を聞いた。
「ある商社の駐在員がオフィスから戻ったら、妻が血を流して死んでいた。警察に電話した。第一発見者だから、疑われて拘置所行きになった。もちろん大使館や企業は釈放してもらうように手を尽くしただけど」
 サウジアラビアの裁判はアラビア語で行われ、通常、通訳がつかないという。弁護人はついたりつかなかったりのようだ。
「結局、刑務所から出たときには精神に異常をきたしていた。会社は日本のマスコミには手をまわして記事にならないようにしたけどね」
 死刑になるのは、殺人、麻薬売買、窃盗、不倫、売春、国王や宗教への冒涜である。

 もちろんこれは都市伝説ではなく、事実。実際には日本の商社マンに起こったことである。
 20年たった今も、この国の基層文化や政治の基盤は、今回のムハンマド皇太子によるカショギ氏の杜撰な暗殺により、その仮面は剥がされてしまった。(最近のサウジアラビアへ続く)

フェイクニュースはこうして広まり、定着し、真実となるーべネズエラの「インフレ率1000万%」を人はなぜ信じるのか? 掲載されました。
日本と世界のマスコミをなで斬りします。