グローバルサウスで学び、旅し、働き、住んでみたー世界を潜入取材するー
私はグローバルサウスを中心にどさ回りの役者のように40年間50か国を踏査してきた。国々と人々の出自と今を知りたいと迷惑かえりみずずけずけとその中に入り込み、人と接し、笑い、驚き、殴り合い、血を流してきた。
むかしは途上国といわれた国々だが、経済的に浮上し、結集し、世界に占める位置が大きくなって呼び名が変わった。
けれども日本ではそれらの国々への関心も薄く、どちらかというとネガティブなニュースが流れて終わる。あるいはネットの中に真偽不明の情報があがり、「へー驚いた」と、いいねやアクセスの数を増やして終わる。わかったような気になる。
残念なことだが、日本は政治家も役人もマスコミも国民もアメリカの一部の属州のようにふるまう。何かあれば、アメリカはどうかと条件反射的に考える。もともと日本人は換骨奪胎して文化や技術を導入するのがうまかったはずだったが、今はその能力が失われている。日本人には独自のなにかがあったが、今は疑わしい。過去の財産で生きているだけかもしれない。その結果どのような状況になっているのだろうか?
例として政治家の名をあげよう。すぐに脳裏に浮かぶアメリカ帰りは、竹中平蔵氏(ハーバード大学)、河野太郎氏(ジョージタウン大学)、小泉進次郎(コロンビア大学)、小林鷹之(ハーバード大学)、上川陽子(ハーバード大学)、高市早苗(留学ではないが米国連邦議会Congressional Fellow)、最近だとアメリカ駐在を経験している石丸伸二氏などがいる。(注:マスコミの記事では名前を出すと、消されてしまうことが多々あるのでブログで自由に書くことにした)。
現在の首相候補のほぼ全員がアメリカ帰りである。まさにこれは植民地の行政官としかいいようがない。唯一違うのは石破茂である。ほかのアメリカのポチとは違うので、私は最も期待している。とりわけ「防衛費を受け皿もないのに上げてもしかたがない。むしろお金は、見捨てられた能登を念頭に置き、差別のない災害対策が必要」と訴えている。防衛とは武器ばかりではなく、経済や地方の強靭化のことである。それが無視されているのが日本だ。
他にもこのような政治家がアメリカに留学している。
けれどもよほどものごとを批判的にみる眼力がなければ、ただのアメリカの真似、アメリカの代弁者として、日本社会や制度に継木をして混乱させるか、じり貧化させるだけである。
そもそも明治時代の日本は不平等条約改正に尽力をつくしてきた。今、アメリカとの日米地位協定を改善しようという政治家はほんのわずかで、触らぬ神にたたりなし。植民地の行政官だからである。
米国の大学で学んでも、批判的な姿勢をくずさない眼力をもった経済人もかつてはいた。たとえば哲人経済学者といわれる宇沢弘文氏だ。
さて、この連載はみなの知らないグローバルサウスを批判的な目で見ながら、それぞれの国々の真髄に迫ろうする試みである。なぜならば、日本の価値はあらゆる分野で一元化し、最終的にはアメリカ的な金に行きつくだけだからである。
さあ、中南米でアジアで中近東で南太平洋で、普通の人々は何を思い、どう暮らし、何を夢見ているのだろうか? 世界はまだまだ多様性に充ちている。最初はメキシコに乾杯だ。
ある意味このブログは意図するしないにかかわらず「世界の潜入取材でもある」
(以下を予定していますが、状況により変更)
第一部
中南米の洗礼
1.国費留学で鳥目になる メキシコ
3.ああ、コカイン! 拘置所が待っていた ペルー トゥンベス国境 ↓
5.愚か者はマチュピッチュで遭難する ペルー アグアスカリエンテス
それでもインドに投資するのか?
9. サイババ、マグロの特上とろを出す インド バンガロール
番外編 調布FM「気分はいつもブルースカイ」に出演 10月27日(日)午後6時~7時
10.インドの投資案件の是非 5大都市の比較
東南アジア BBCを信用するな
11.いかさまバクチで軟禁される フィリピン マニラ
12.日本のテロ対策援助を実施する フィリピン マニラ
13.年間60発!爆弾テロの巣窟を歩いてみた、フィリピン ダバオ、マギンダナオ
14.腹を壊して ポルポトの殺人収容所を見る カンボジア プンペン
15.地雷を爆破する カンボジア シュムリアップ
中近東 いまでも石油・ガス戦争だ
16.イスラム開発銀行のために働く サウジ ジェッダ
17.ワールドカップ電力事業でお払い箱になる カタール ラスラファン
18.シリアへの道 ベネズエラ カラカス
19.レバノンのメイドカフェ? 日本人は政府に守られるか? ベイルート在日本大使館
20. シリア大使との会見 ベイルート
21.シリア国境の難民キャンプへ
欧州 VS グローバルサウス 番外編
22 新婚旅行でジプシーを警察に突き出す スペイン アルへシラス/モロッコ フェズ
23 スカートをはいたアントニオ君との再会 ポルトガル ナザレ
24 裏切りのパリ 連続テロの源流を郊外サンドニに探る フランス
25 裏切りのパリ カンボジアレストランはなぜ襲われたのか フランス パリ
忘れていた南太平洋
26 大臣とバケツから食う マーシャル 離島
27 人食い人種 VS 首狩り族 ソロモン諸島 ガダルカナル
第二部
再びの南米
27.裏切りのアワビ チリ サンチャゴ
28.マシンガンで囲まれる チリ サンチャゴ
29.援助でホタテ食べ放題 チリ コキンボ
33. 囚われの都市ブエノスアイレスと途上国化する日本
34. 無法パタゴニアで羊をパクる アルゼンチン
35. チェ・ゲバラは山賊だった 海外投資の反面教師 ボリビア
36. 呪術師に治癒される エクアドル トゥーラ
38. マイアミの蟹は究極のリサイクル アメリカ
39. マイアミで防弾チョッキを買う アメリカ
40. バイアですってんてんになる ブラジル サルバドール
41. コパカバーナで女たちが黒魔術 警察に踏み込まれる ブラジル
42. 凱旋帰国 ココ・バレンティンは週刊文春にはめられた キュラソー 日本
43. カリブのオタク ベネズエラ カラカス
45. 犯罪立国の謎 ベネズエラ