家族バックパッカ―となる


面倒くさいという気持ちが大きく、しかもお金もかかり、腰も重かったのだが、やむをえず大阪、京都へと数日の予定で旅行することにした。家族バックパッカーとして、安い外人ホテルを泊まり歩く。その理由は以下のとおりなので、参考にしてほしい。

1. 子供の健康
 放射線量はチェルノブイリと同じ規模で爆発があったとしても、200キロ前後離れていれば、5000マイクロシーベルトとぼくは試算(3日前のブログを参照してください)している。その意味ではもう40歳を超えている妻やぼくは長く外にいなければ、さほど影響はない。

 けれども放射線物質、セシウム137(懐かしい。ぼくはベネズエラで厳重な管理の上、カラカスから現場まで運び、倉庫に入れた)、ヨウ素の量と健康への被害の詳細値を探す時間がないので、そこは不明だ。

 現在、テレビでは「ただちに云々、健康に影響はない」といっているが、当然、ただちにというのは、「いずれ影響がある」ということである。

 たとえば、「過去の被爆者の健康調査の結果、白血病は被曝から発病まで平均12年、固形ガンについては平均20〜25年以上かかることが分かっている」(参照: 「放射線 その利用とリスク」地人書館エドワード・ポーチン著、中村尚司訳、昭和62年4月10日)

<人工の放射性核種>半減期 以下 http://coffee-eclair.at.webry.info/201103/article_15.html より。

セシウム137 : 3兆2000万ベクレル:30年
ヨウ素131  : 4600兆ベクレル  :8日
キセノン133 : 6900兆ベクレル  :5.3日
クリプトン88 : 290京ベクレル   :2.8時間

 避難は子供の健康を第一に考えたのが、理由である。

2.本当にチェルノブイリと同様の爆発は起こらないのか?
 専門家の多くは口をそろえて「チェルノブイリとは違う」という。これを精読してみれば、多くの点、とりわけ稼働中だったことが違う。しかし、悪い偶然、処理の失敗、他にも共通している点が多い。決定的なのは以下である。

「推測では爆発は2度あり、2度目の爆発によりおよそ1,000tあった蓋が破壊された。ソ連の事故報告書によれば、この2度目の爆発は、燃料棒被覆や原子炉の構造材に使用されていたジルカロイと水が高温で反応したことによって発生した水素による水素爆発である。

 これに対し京都大学の今中哲二は、冷却水を喪失した事によって反応度が挿入され、即発臨界で大量のエネルギーが放出されたことによる爆発であると解釈した(即発臨界を「一種の核爆発」と表現した^ 「技術と人間」2002年7月号原稿)」


 つまり、上記より、再臨界核分裂)が起これば、ほぼチェルノブイリと同じ条件が整うことになる。使用済み燃料は6基に多分あるのだろうから、すべて再臨界の危険がある。

 しかも、福島原発のすでに起こった水素爆発は「金属のジルカロイ合金が溶け出し水素が発生し続けて爆発に至った」といわれている。そうであるならば、再臨界してしまえば、チェルノブイリと基本的には変わるところがない。

 ただ、ジルカロイロ、水素、放射線放射能物質を隔離する設計になっているという話はあるが、しかし条件は整いつつある。

 これは専門外のぼく自身の判断なので、読者の方は参考にとどめてください。ただ、リスクマネージメントとは、最悪を考えることです。

3.東電という企業

 すでに東電にはほぼ打つ手がなく、機動隊、自衛隊アメリカ軍、消防署に現場活動はうつっている。時間との戦いなので、「放水がうまくいって」と祈るしかない状況となってしまった。


 ぼくは数日、再臨界の可能性を注視し、再臨界しそうもないと確定できれば、東京に戻るつもりです。

 みなさんにいいたいのは、日本が第二次世界大戦に至った経路、そして戦後の混乱を思い出していただきたいと思います。残念ながら、日本人の気質、組織はさほど変わっていないはずです。結局は、情報を精査し、自己判断を下し、守るのは自分しかいないのです。

 それにしても東電発世界不況の可能性もありますね。ああー、
 以下、参考になるサイトです。

  福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ 2007年7月

  ストップ浜岡原発

  原子力資料情報室 

  福島第一原子力発電所

 みなさんのご無事を祈ります。