低線量被ばくを考える、鼻血・下痢について

 この時期、自分の子供が鼻血と下痢に苦しんでいるとしたら、不安だろう。
 しかし、と考える。
 ぼくは、原発の企業犯罪、大放出放射能には、過剰反応せよ、と訴えてきた。けれども、超過剰反応にはくみしない。
 東京の大人でさえ「鼻血だ、下痢だ、放射能の影響だ」と騒いでいる人がいる。これではいたずらにストレスが増すだけである。

 子どもにしても、こんなに早く症状がでるとは思えない。

 鼻血、下痢などの急性症状は、しきい値があり、2Gy(Gy=放射線吸収量。ガンマ線セシウム137だと2Gyは2Svとなる)である。福島中通の住民で、現在100mSvを浴びている人はまずいないだろう。その20倍まではまだ遠い。

 先月、福島市で220名の子供を対象とした健康診断が行われたが、子供の症状を訴える父母は、ほとんどいなかったという。(「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」と「子ども福島情報センター」主催) 

 もちろん、気をつけるにこしたことはないので、自分の子供のプールは、「雨天の後、水を変えない、あるいは汚染度を測らない場合(放射能に無気力な荒川区)」は念のため禁止している。
 食物も産地には十分注意している。将来の被曝を避けるために、注意するのは当然である。

 しかし、いままでの被曝で鼻血や下痢になるかというとそれは違うと思う。
 少なくとも福島中通、北関東、東京では今のところ症状が出ないというのがぼくの立場である。

 心配しすぎは、ストレスが強く、子供や自身の健康にもよくない。

 そこで、ぼくは、先週まで「低線量は心配ない」という首都大学東京の福士政広教授、逆の立場の研究者(崎山比早子医学博士)、放射線に詳しい小児科医(実際に福島市の子供たちに健康相談を実施)らを取材し、あれこれ放射線の教科書を調べてみた。

 この取材文と結論(「低線量の放射線とストレスから身を守る7カ条」)は、看護師と医療関係者の専門誌に掲載され、一般の人の目には残念ながら触れない。その一部だけ許される範囲で、掲載すると、

▲下痢、鼻血は注意すべきか?
 福士教授は、ICRPの基準さえ、厳しすぎるというのだから「鼻血や下痢などの急性障害はあるわけがない」という立場である(教授との厳しい取材やりとりは出稿準備中のメルマガに掲載予定)。

 さて、小児科医の黒部真さんはどういっているだろうか? 

 この方は、森永ヒ素ミルク中毒でも原告(親たち)のほうに立って活動し、かつ日本の医療放射線の異常な取り過ぎに警鐘を鳴らしている方である。
 今回は早々、「子供たちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」を立ち上げた。東大医学部卒の方にも、産業ではなく住民側に立つ方もいるのである。
 その黒部医師も次のようにいう。

「子どもは、アレルギー、鼻粘膜の炎症、細菌性などで敏感なんです。口からも出血する、延々と何十分も続くような症状でない限り心配はありません。下痢も何日も続くなどよほどひどいものを除いて心配はありません」

 では、次の稿では、疎開とストレスについて考えてみる。

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朝日ニュースターの「ニュースの深層」7月5日夜8時に黒部真さんが出演するようだよ。CS見られる方は、見てみたら。

★福士教授はNHKの朝のニュース(7月6日)にでて「安心、安全、だいじょうぶ」と繰り返していたね。黒部さんの「今回のような低線量被ばくはよくわからないのです」と大きな違い。またNHK朝日ニュースターのスタンスもよくわかるね。